連載中·2024年10月05日 08:00
688,002文字
あらすじ詳細
──まだまだ体力だけは若いものには負けないと思っていた。
若い世代が物理的に引きこもり、電脳世界で暮らすようになって20年。
定年後の趣味は写真撮影。外の世界で人のいなくなった街並みや近所の山々を写真に収めるのを域外にしていた勇次郎。
しかし思いの外体が動かず腰をやって救急搬送されてしまった。
病院から末娘に引き取られ、そのまま安静するまで療養することに。
今までの暮らしとは異なる風景に早くも暇を持て囃す裕次郎に孫からの提案。
それがAtlantis World Onlineで一緒に遊ばないか? というものだった。
現実世界と異なり、電脳世界の体はよく動く。
まるで童心に帰った頃のような胸の昂りがそこにはあった。
そして誘ってくれた孫には悪いが、裕次郎はそこでの景色を撮るためのビルドにスキルを注ぎ込んでしまった。
それが【パッシブ極】
何かにつけてアクションを選択するのではなく、行動を手助けするスキルを集めた結果、孫から案の定呆れられてしまう。
「え、これじゃ一緒に遊べないじゃん」
少し悪いと思いながらも、裕次郎は『アキカゼ・ハヤテ』として自分の目的を最優先した。
そこで同じ志を持つ変人たちとフレンドを組んで、ついには偉業を成し遂げる。
誰もが見抜けなかった、フレーバーとしか思わなかった舞台装置。
物理的に入れない場所への侵入。そのキーは不人気なイベントの延長線上にあった。
あの壁の上から景色を撮ったら最高の作品が出来上がるだろう。
それだけを生き甲斐にしていたが為、抜いてしまったイベント発動キー。
それは、たった一人では対処しようのない、1000人規模の町防衛型レイドボスイベント。
アキカゼ・ハヤテは中堅クランの娘婿やフレンドさんの息子さんと協力しあい、これに対処。
そこでAtlantis World Onlineの新しい一面を周囲に知らしめる形になるのだった。
一躍有名人になったアキカゼ・ハヤテは次なる指標を企てる。それは、
「あの雲を突き抜ける立派な木。あのてっぺんから見える景色はさぞ絶景だろう、ワクワクしてきた」
そこにあるのは更なるイベント発動キー。
──これはとあるVRMMOの物語。
彼のロマンは周囲を巻き込み増大していく!
222話まで連続更新しましたが、以降毎朝8:00頃更新予定。
後300話程、ごゆるりとお楽しみください。閉じる
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