完結·2024年09月18日 21:28
174,943文字
あらすじ詳細
細かいことが好きで、何かにつけてメモをつけるのを趣味にしている男、向井明人(23)はあまりにも社会不適合者だった。
それでも地獄の就活を乗り越え、ブラックな運営を会社に就職。
しかし人の良さに漬け込まれて上司や同僚から搾取のかぎりを受けていた。
そんな明人の年貢の納め時。過剰な仕事を請け負わされ、数日入院している間に勝手に席を奪われていた。
突如暇を持て余すことになった明人。
そこで高校時代に遊んでいたゲームによく似たソフトにゲームショップで出会った。
New Arkadia Frontier。
あまりにも作り込みが細かすぎて難易度がアホみたいに高く、プレイヤーが激減してサービス終了に追い込まれたPCゲームだった。
それがハードをVRMMOに置き換えて新発売。
どう考えてもコケる未来しか見えなかったが、思いの外接続数が高いと聞いて「開発が正気を取り戻したか?」と思って初めて見たら予想の斜め上に進化して頭を抱える問題が山積みになっていた。
明人はムーンライトと名を変えてログイン。
そこでなぜか注目を浴びてしまった。いや、普通に前作知識を披露していただけだが?
しかしこの時僕は知らなかった。
そんなことができる存在は『始まりの16人』と呼ばれる伝説の存在だけ。
そのうちの一人が他ならぬムーンライトで、NPCまでその名を称えるほどだった。
何がどうなってこうなったのか。
昔の伝手に連絡を取り、そこで詳細を知る。
なんと昔の活動が運営に取り上げられ、それを反映させた状態でサービスをスタートしたのだそうだ。
なんでそんな真似をしたかといえば、その情報のない状態でβテストをした結果、あまりにも死屍累々だったのだそうだ。
今でこそ開拓が進み、モンスターの活動圏内がプレイヤーの活動範囲外まで押し込められている。
この状態だからこそ、サービスが開始でき、だからこそ自分の残した手記が以てはやされたと知って。
「ふぅん。あの会社がVRという環境を手に入れてどんな進化をしたのか興味があるな」
ムーンライトはNAFでの活動を再開した。
その活動に注目した、ムーンライトを『先輩』と慕ってくる女性『うぐぐいす』と共に『ムーンライト』の目的の特にない当てずっぽうな生活が始まった。閉じる
新着更新:第42話2024年09月18日 21:28