第5話
夏がはじまると気持ち浮かれすぎて
なんでもできるような感じで
ふわふわしているのかもしれない
冷めてしまえばなんてことのない
いつもと代わり映えしない毎日
それどころか夢の余韻で
無意味にせつないのかも
秋の長雨になるまえに
なにかやり遂げておかなくちゃ
このタイミングを逃したら
もうなにもできない
あせればあせるほど
からまわりするの知っている
そもそも夏の終わりが幻
陽射しの加減が変わるだけ
つられて淋しくなるとしても
ただの気の迷い
ほら展望台の高さは同じまま
夕暮れの彩度が違って見えても
風に吹かれてみればわかる
なんにも変わってない
むしろ
なんにも変われていない