「……やったな」
「うん、やった」
マイとハイタッチを交わす。
本当に良くやった。あのキル慣れしているだろうラトテップの二人にVRゲーム初心者の私達が勝った。快挙と言って良いだろう。自分で自分と自分の相方を褒めたい気分だ。
――――ぱんぱかぱーん! ぱんぱーん!
そうやって息を吐いていたのも束の間、草原に突如、軽快なファンファーレが鳴り響いた。
「な、何事……?」
戸惑う私を他所に、私の鼓膜に直接
機械音声が伝えた内容は次の通りだった。
『二倉すのこのレベルが2に上がりました。パラメーターポイントが10ポイント付与されます。
条件:「
スキル【
条件:「矢を累計で五十本以上、戦闘中に消費する」を達成。
スキル【命中補正E】を習得しました。
条件:「初めてPKをした」を達成。
スキル:【殺意の兆し】を習得しました』
「うおおおおお……!」
機械音声が告げたのはレベルアップとスキル習得のお知らせだった。ラトを撃破した事で
「い、今の聞こえた?」
「ああ、聞こえた。『
「あ、微妙に違うんだ」
私が聞こえたのは弓兵のレベルアップと『伏龍一矢』を覚えたっていうお知らせだった。剣兵でも剣閃でもない。どうやら先程の機械音声は本人にしか聞こえないらしい。
「と、とにかくスキルの確認をしないと……!」
興奮のあまり手が震えながら『