「それで、これからどうするんだ?」
「えっと……まずはパーティーを組もうか」
自分の腰を見れば、『
私の教典とマイの教典の背を互い向け合う。ややあってページに文字が浮き上がった。文字は「PC名:マイをパーティーに誘いますか? はい いいえ」と記されていた。「はい」の文字を指で押す。
「これでマイの教典にも『パーティーの誘いを受けますか?』って出ている筈だから、『はい』の文字を押して」
「あいよ」
マイがページを操作する。直後、私の教典にマイのステータスも表示された。これで私とマイがパーティーを組んだ事になった。
「紙に書かれた文字がシュッシュッて変わっていくのって何か変な感じだね」
「そうだな。普通は動かねえもんな、文字って」
さすがは剣と魔法の世界といった感じだ。いやでも、ステータス画面が単純なウィンドウじゃなくて本という形を取っているのはちょっと独特かもしれない。普通は半透明の板っぽいのが出てくるものだと思う。
「街並みも中世ファンタジーまんまじゃなくて、所々に和風要素を入れている辺り、制作スタッフに何らかの拘りがあるのかもしれねえな」
「他人とは一風変わった事をするのが好きなのかもしれないね」
気持ちは分からないでもない。個性を出したり差別化を図ったりするのは大事な事だ。私も「VTuberとして何か奇抜な事をやらなきゃ」って思う事があるし。まあ奇抜なだけじゃ足りなかったんだけど。
ともあれ、そういう事であればその一風違う世界観、楽しませて貰うとしましょうか。
「それじゃあ、まずはグルッと街の様子を見て回ろうか。それで、その後にフィールドに出掛けよう。今日はライブやるつもりはないからのんびり行こう」
「おう、行き先は任せるぜ。じゃあ行こうか」
フィールドで