完結·2024年07月26日 18:41
110,496文字
あらすじ詳細
母親の過干渉の中生きる一人の少年の心の支えは、学校で前の席に座る少女日南さんの下着の色と、ガレージで見つけたナイフ。
このナイフを手に、ガレージの中で日南さんに対する加虐的な妄想にふける毎日を過ごす。
しかし日南さんに、その視線に気づかれたとき精神のバランスを崩し、街で不良たちに暴行を受ける。
自身を守ろうとナイフを手にしようとする少年に対し、ギャル系少女が不良たちを瞬く間に叩きのめし、ナイフの正しい使用法を少年に説き、ナイフを少年からもらい受ける。
その少女の姿に強い印象を受けながら少年が再びガレージに足を運ぶと、そこに一台のバイク、ゼファーの存在に気が付いた。
その存在に魅入られた少年は、母親の不在時、多摩川の河川敷でそれを走らせようとするが、上手くいかない。
そこに現れたのが、渋谷で少年を助けた少女スゥ。
スゥは少年をわんこくんと呼び、ゼファーの操縦方法を教える。
スゥはある人物を探しに、北海道から家出してきたという。
自由を手にするためゼファーに乗ってスゥの旅に同行し、その旅の中で少しずつ大人になっていく。
名古屋でスゥの探し人、モッチを発見した二人だったが、自身の音楽業界での成功のためにスゥを一方的に捨てる。
スゥは自殺を試みるが、少年と、モッチのマネージャー畠山の処置で一命をとりとめる。
少年は畠山からこっちの居場所を聞き、京都でモッチを殴り飛ばす。
回復したスゥは、少年の本当にしたいこと、十年前に家を出て行った父親に会いに行こう、という。
しかし、父親はすでに別の家庭を築いていた。
自暴自棄になる少年だったが、スゥ、そして偶然出会った父親の息子、すなわち義理の弟との交流の中で、徐々に父を許していく。
そして二人は、シュウ、スミレという本名を名乗りあい、名古屋の空港で別れる。
そこでシュウは、同じく家を出ていた姉と出会い、姉とともに東京へ帰っていく。
一回り成長した少年の姿が、そこにはあった。
閉じる
新着更新:第43話2024年07月26日 18:41