テレビを観ていると、どこかで悲鳴が上がった。
驚いたが、ふと思い直す。
電気ケトルが蒸気を噴き出しており、
その音が悲鳴にそっくりだったのだ。
コーヒーを入れていると、また悲鳴が上がった。
僕が観ていたのはテレビドラマではない。
だとすると、悲鳴の主は、
足元に転がっている彼女の死体だろうか。