カンカンカンと響く階段の音は鉄分たっぷりだ
試着室で見た水着の色が視界に残り続けている
自分らしい生き方を心掛けているつもりが
なんとなく怠けているような罪悪感に染まる
誰かに言われた言葉
決して言われたわけもなく
身勝手な空想の領域
言われた覚えなどない
身勝手な妄想の妙域
そっか
自分を苦しめていたのは自分自身だった
それを誰かの声に置き換えて
その誰かのせいにしたりして
この気持ちの周波数を調べようともせずに
風ばかり求めてさ
試着室で見た水着の色が視界に残り続けている
ふわりひるがえる長いスカート
淡い模様が見えた気もするけど
無地のはずだ
ほらあわてなくていいから
おれは手を握ったまま一歩づつ先を行く
カンカンカンと響く階段の音は鉄分たっぷりだ