今日の目標はもう決めてある。それは「渋くないポーション」の作成だ。
村長の家にお邪魔して、研究に励む予定。
中央広場に寄ったら、今日はさっそく隅の方で、お肉をゴザの上に並べて、天日干しに挑戦するユーザーが何人かいらっしゃった。
作業を見てると単に、肉をナイフで切っただけで、塩とか使ってないみたい。
それだと味がいまいちになっちゃうよ~と思いつつ。
アドバイスすると目立つのでやめておく。皆ごめんね。
塩味のウサギの干肉は、明日の朝にはきっと普及し始めるんだろう。
村長のお家に到着した。さっそく、研究開始。
クルミとサクラちゃんは見てるだけで、2人で狩りに行っちゃったりしないようだ。
まず試作品一号。砂糖を入れてみた。
東南アジアでは、砂糖入りウーロン茶が主流らしい。きっとソレみたいな味になっている。と思いたい。
クルミに試飲させてみる。
「うえー。甘いんだけど、渋みはそのままだ。美味しくはない」
失敗だったようだ。私は失敗しても、めげない女の子。頑張るぞ。
次に作ったのは、葉っぱをすりつぶさないで、そのまま淹れたものを作ってみた。
色が普通のよりだいぶ薄い。
「うーん。渋みは減ったけど、単純に薄くなっただけじゃない?」
効果を調べると、HP回復量が半分の25になっていた。
じっと様子を見ていた、サクラちゃんが声を掛けてくる。
「お茶って、60度ぐらいのお湯で入れると、渋みが抑えられるって言いませんか」
「そうなの?」
「はい。カフェインが高温で解けるとか聞きましたわ」
「それじゃあ、やってみよう」
さっそく、一度沸騰させたお湯を、60度ぐらいになるように冷ましてから、薬草を入れ、抽出してみる。
色は若干薄い感じだ。またクルミに試飲させる。
「おー。確かに渋みが抑えられてる。すごいー」
●5級ポーション(渋み控えめ)
HPが回復する。通常より渋みが抑えられていて、飲みやすくなった。
種別:ポーション、飲み物
レア度:2 ランク:3
HP回復:1分で60上昇
ランクが3になったからか、HP回復量が10多いよ。
「ミケさん、やりましたわね」
「うん。できちゃったね」
予定より早くできて、時間が空いてしまった。
追加の実験をする。「ポーション濃縮作戦」だ。
まず、比較用に普通の5級ポーション2つぶんを、お湯が半分になるまで火にかける。
次に「渋み控えめ」を同じように、火にかける。
するとどうでしょう。色の濃い4級ポーションと、普通の緑色の4級ポーションができた。
試飲は、例によってクルミ先行である。
クルミは、ごくっと喉を鳴らしてから、ヤバそうな方の色の濃いほうから飲んでみる。
「げー。これはないわ~。これはきついわ~」
すぐさま、もういっこのほうを飲んでみる。
「はー。生き返る~。渋みはあんま感じない。むしろ少し甘みがあるぅ」
とのこと。
●4級ポーション
2倍濃縮。渋みも2倍だよ。
種別:ポーション、飲み物
レア度:2 ランク:3
HP回復:1分で120上昇
●4級ポーション(渋み控えめ)
2倍濃縮。通常より渋みが抑えられていて、飲みやすくなった。
種別:ポーション、飲み物
レア度:2 ランク:3
HP回復:1分で120上昇
まだ、ゲームは始まったばかりなので、120も回復量は不要だ。
しかし、いずれ必要になってくるんだと思う。
ゲロまずポーションはちょっと常用したくない。
今日は西のデルタ町方面に行ってみよう。