「あー。わたしのことは木工職人クルミと呼んでくれたまえ」
「木工職人クルミさま」
「なんで棒読みなのさー」
「面白いですわね」
さらにウサギ狩りを続ける。
1時間ほど森を適当に移動していたら、空けた土地に出てきた。
小さな草地と小さな泉になっていた。
敵がでない安全地帯、セーフティーエリアだ。
この場所から水が湧いていて、泉から小川が流れ出ていた。
水の中には小魚が泳いでいるのが上から見える。
丁度、お腹もすいてきた。
ナイフでの解体を選んでランクの上がったウサギの肉「ランク:3」を一口大に切り、料理セットの鉄串に刺している。
塩と
私は隅の方で、枝を並べて火をおこした。
周りに「生のウサギ肉串」を9本地面に刺していく。ちょっと熱い。
だんだん肉が焼けるいい匂いがしてくる。
「わー。お肉いい匂い~」
「もうちょっとだから待ってね」
できたお肉を2人に配る。
●ウサギの
塩胡椒が効いて香ばしく焼けたウサギ肉。肉汁たっぷりだ。
種別:食べ物
レア度:1 ランク:3
満腹度:20上昇
クルミはあっという間に肉串を3つ食べ終わった。
よだれを垂らしそうにしながら、サクラちゃんが食べているところを見ている。
「クルミさん良かったら1本食べますか?」
「やったー。いいの? ありがとう」
クルミはサクラちゃんから肉串をゲットした。
それを嬉しそうに食べていた。
すぐに食べ終わると、また木の串を作成し始める。
「んー。これ鉛筆削りみたいでハマるわ~」
分からないでもないけれど、ハマるほどとは思わないかな私は。
それよりも私はピンと来たので、泉の水を空き瓶に汲んでみた。
●水の入った瓶
綺麗な湧水が入った瓶。特に味はしないが美味しい気がする。
種別:飲み物
レア度:1 ランク:4
ランクが2も高かった。15個ある水用の瓶を全部入れ替えておいた。
森の泉を撤収し、午後もその辺を探検して、薬草とタンポポを回収する。
ウサギも結構な数を狩れた。
村に戻ってきた。
広場を見たがトラニー君はいなかったので、雑貨屋に行く。
売り物は完売。12,700セシルの売り上げ。空き瓶は50個確保で代金750セシル。
差し引き11,650セシル増加になった。
トラニー君はまだ駆け出しなので、特にお駄賃はいらないそうだ。
衣食住とおこづかいは、雑貨屋からもらっているという。
ウサギの毛皮も売ってしまおう。30個で3,000セシルなり。
「あのー。わたし、自分用の木工ナイフが欲しい。買ってもいい?」
「いいよ」
「もちろんですわ」
「お嬢さんたち、木工ナイフだったら、入門木工セットがお得だよ」
ナイフに金やすり、紙やすり、キリ、接着材のセットだ。
おまけで、ペンダント用紐x10を付けてくれるという。
セットは5,000セシルだった。ナイフはランク:3で攻撃力+6である。
残金10,550セシルだ。
ちなみに、いまのところお金は私がまとめて管理している。
村長宅へお邪魔して、干肉を作成する。
今日はラビット肉30個なので干肉が90個にもなる。
うち干肉10個は村長にプレゼントした。
「わしにもくれるのかい。ありがとう」
「いえいえ、お世話になっていますから」
宿屋に戻り、いつもの夕ご飯を頂いてベッドに入る。
私は日課の掲示板、wikiチェックをした。
掲示板では「ウサギの干肉」について情報が上がっていた。
不味い携帯食の革命だとほめたたえられていた。
あと一部女子っぽい人中心に売り子のトラ猫が可愛いと評判だった。
干肉は、天日で干せばできるんじゃないかと憶測が立っていて、その後、日光で実際に干してみた人がでてきて、5時間かかったそうだ。
翌朝、4日目の朝。クルミは若干眠そうにして出てきた。
聞いてみたところ、木の串を量産して合計30本作ったと言っていた。