「はあ……全校集会ってさぁ、めんどくさいよねー」
「ちょっともー
現在、僕たち……いや、全校生徒は第二演習場に集合している。
この場に居る全員が椅子に着席しているわけだけど、この椅子もあの壇上も全部疑似的なもの。本当に便利なものとしか言いようがない。
そして、開会の言葉が終わり
「はいどうも、学園長です。こうして皆さんの前に立つのは入学式や始業式などぶりですが、元気な姿が観ることができてとても満足です。――では、これにて挨拶を終えたいと思います」
と、最低限の事だけを話した学園長は、一礼の後――壇上を後にした。
僕は会場を包む拍手の中、口をポカンと開けて呆気に取られてしまっていた。
だって、こういう話の場と言ったら長丁場というのが相場が決まっているはず。こんな一文二文の極々短い挨拶で済むはずがない……のだけど、でも今は……。
そんなこんなで思考が追いついていない最中、次は突如――
「さーて、ボクの出番が来ましたー! 全校生徒諸君、憶えているかなー? ボクは生徒会長だよーっ」
――壇上に1人の女生徒が現れた。
距離がある為、外見の詳細は薄っすらとしたものでハッキリしないけど、茶髪の短髪……ボブカットだろうか。背丈は僕より少し低いぐらいだろうか?
そんな彼女は、声を張り上げて話を続ける。
「そして、もうそろそろ夏休みが始まります。夏休みっていいよね~、旅行に青春に……いろいろと! でもでも、その前に一つだけあるよねあるよね。そーれーはー、つまり! 学事祭の時期がやってきたってことだー! それでね、今回はなんと……学内での成績優秀者選抜に決定! しかもなんとなんと選抜された生徒にーはー、褒賞として特別インターン権利、かーらーのー――夏休みの一カ月延長と課題の免除だーっ!」
「「「「「「「「「「おぉおおおお!!!!」」」」」」」」」」
その声高らかな宣言に、会場中は静寂から一瞬にして湧き上がり、席を立ち上がってはガッツポーズをとっている人もいる。拍手喝采とはまさにこの事。
色々と疑問点は残るけど、学生にとって夏休み延長や課題の免除はかなり嬉しい。中々に大盤振る舞いな気もするけど、そこを含めての学事祭。
短い間、溢れんばかりの拍手が続いた後、生徒会長の短い咳き込みを合図に再び静寂を取り戻した。
そして、
「では、これで生徒会長、
と、これまた学園長に続いてあっさりと終わりを迎える。
僕は終始理解に苦しんでいたけど、この後も流れるような進行であっという間に閉会、解散となった。