屋敷に戻って部屋に入る。ジルをベッドに寝かせる。人払いをし、マントを剥ぎ取る。ジルに覆い被さりその胸にしゃぶりつく。媚薬の効果は切れているのに身体がまた熱くなる。何度も達しているせいか、ジルの中はトロトロに溶けている。
「まだこんなに濡れているのか。」
中を掻き混ぜながら言う。ジルは身体を仰け反らせ、言う。
「テオ、お風呂に…」
少し笑って言う。
「そうだな、風呂に行こう。」
ジルを抱き上げて風呂に行く。
「脱がないのですか?」
ジルに聞かれて俺は言う。
「脱がせるのはもったいないな。」
そう言って俺だけ裸になる。風呂の石畳の上に座り言う。
「おいで。」
ジルが俺に跨り、立膝になろうとする。ジルの膝に傷が付かないように膝の下にタオルを入れる。ジルを見上げながら中に指を入れ愛撫する。ジルは俺の肩に手を置き顔を背けて愛撫に耐えている。
「入れてごらん?」
言うとジルが腰を落とす。ズブズブと中に入っていく。ジルの腰を掴んで引き寄せる。
「あぁ、奥まで入ったよ…」
ジルは身体を震わせながら俺にしがみつく。
「腰を振って。」
言うとジルが腰を振る。キュウキュウと締め付けてくる快感に耐える。
「こうすると、当たるの…一番気持ち良いとこが擦れてる…」
ジルが言う。
「あぁ、分かるよ、ジルが擦り付けてるの。」
ジルは腰を振りながらビクビクと身体を震わせる。
「あぁ、漏れちゃう…」
ジルが上擦った声で言う。
「良いよ、漏らして。」
何となく予感はしていた。水を大量に飲んだ後だし、風呂場に行こうと言ったのはそのせいもあっただろう。
「あぁっ、出ちゃう…」
ジルの身体が強ばる。俺はわざと上半身を離して下から突き上げる。
「あぁっ…!ダメッ…」
ジルは手を石畳について自分の身体を支える。
「ほら、見せてごらん、漏らしながらイクとこ…」
そう言って俺は突き上げながらジルの一番敏感な突起を刺激する。
「あぁっ…イッ…クッ…」
ジルの身体がビクンと跳ねてそこから飛沫が噴き出す。ジョロジョロと飛沫は止まらず繋がった部分を濡らしていく。ジルの中はヒクヒクと痙攣している。あぁ何ていやらしいんだ。漏らしながら俺を締め付けて。俺はジルを抱き寄せて下から突き上げる。
「まだ、出てる、の…」
ジルに言われて俺は言う。
「あぁ、知ってるよ…」
温かい液体が結合部に流れて出ている。
「お漏らししてるジルに出したい…」
そう言って突き上げる。ジルの身体が俺の上で跳ねる。
「あぁ、ジル…イクよ…」
ジルを抱き締める。ドクンと俺の熱い飛沫が噴き出す。ジルがビクビクと身体を震わせて言う。
「あぁっ、またっ…イッ…ちゃう…」
ガクンとジルの身体が跳ねて脱力する。ジルの中はキュウキュウと俺を締め上げている。ジルの背中を撫でる。
服を脱がせてやり、風呂に入る。
「二人ともクタクタだな。」
笑いながら言う。ジルも笑う。
「そうですね。」
ジルの髪を梳く。
「テオ、聞いても?」
ジルを見下ろす。
「ん?何だい?」
ジルは気持ち良さそうに俺に髪を梳かれながら聞く。
「あの媚薬、相当効き目も早かったでしょう?飲んだ時、近くにはマクミラン嬢が居たんですか?」
俺は笑う。
「あぁ、居たよ。でもな。」
ジルが俺を見上げる。
「俺はある程度の薬物には免疫があるんだ。それは戦場で得た二次的な副産物だけどな。」
ジルの頭を撫でる。
「幾度も戦場で戦っていると、時には女を使って籠絡しようと画策してくる輩も居てな。媚薬を飲まされた事もある。媚薬の効果を早く薄めるには女と交わるのが一番だが、やり方はそれだけじゃない。」
俺は自分の太腿にある古傷をジルに見せる。
「媚薬を飲まされた時はこうして自分を傷付ける。その痛みで効果を中和するんだ。」
ジルが痛そうに顔を顰め、俺の太腿の傷をなぞる。
「今日飲まされた媚薬は強力だった、もしあの場にジルが来なかったら、俺は傷だらけになっていたかもな。」
そう言って笑うとジルが俺を見上げて抗議するように言う。
「笑い事ではありません。」
ジルが俺に寄り添う。
「俺はジルに救われたんだ。ジルはいつも俺を救ってくれる。」
ジルの頬を撫でる。
「俺が窮地に立つと俺の所へ来て救ってくれる女神だ。俺を暗く深い沼の底から救い出してくれたのも、媚薬の深海から救ってくれたのも君だ、ジル。」
ジルを抱き締める。
「ジルはその存在だけで俺の救いなんだ。だから俺は全身全霊でジルを守るよ。全身全霊で君を愛す。」
その日の夜はジルを抱き締めて眠った。愛しい人、俺は果報者だ。
翌朝、部屋に朝食を運ばせる。朝食を食べながらジルが言う。
「テオに報告しておきたい事があります。」
ジルを見る。
「ん?何だい?」
聞くとジルが言う。
「先日、マクミラン家のお茶会に行きました。」
そう聞いてあの話かと思う。
「うん。」
コーヒーを飲む。
「その時にマクミラン嬢にお話があると言われてお部屋に通されました。マクミラン嬢はテオと懇意にしていて、逢瀬の時に忘れて行ったものがあるから返しておいてくれと、タイとカフスボタンを見せられました。」
ジルを見る。ジルは微笑んでいる。
「で、君は何て返したんだい?」
聞くとジルは微笑んだまま言う。
「忘れ物の回収は私の務めでは無いので、本人に直接返すように言いました。」
俺は笑う。きっとあの女狐の腸は煮えくり返っていただろう。
「それで?」
ジルは溜息をついて言う。
「問題はこれからです。貴方はタイもカフスボタンも外では外さない。だとするならば、この屋敷から持ち出されたという事。」
パンを口に放り込む。
「そうだな。」
言うとジルが続ける。
「マクミラン家の間者が居る、という事になる。なので突き止めました。正確には突き止めて頂いた、と言うべきでしょうか。」
ジルが微笑んでいる。俺が手を貸した事に気付いているようだ。
「昨日、その者の身柄を拘束しました。」
昨日は色々あって、その報告は受けていない。
「誰だったんだ?」
聞くとジルが溜息をつく。
「サリーです、私付きの侍女の。」
サリー?サリーと言われてパッと浮かんで来ない。
「それで…」
ジルが言い淀む。
「どうした?」
聞くとジルが言う。
「サリーなんですけど、ちょっと問題があって…」
ジルが言い淀むなんて珍しいと思う。
「何だい?言ってごらん?」
ジルは俺を見て言う。
「サリーは貴方を慕っていたようなんです。それもかなり妄執的に。」
そう言われて嫌悪の感情が湧き上がって来る。
「捕らえた時にサリーの手には貴方のシャツがありました。」
食欲を無くす。
「念の為、部屋を調べさせたのですが、サリーの部屋には貴方の私物が溢れ返っていました。」
顔を顰める。
「貴方のシャツ、カフスボタン、タイ、貴方が使ったであろうグラス…それと、貴方の下着まで。」
溜息をつく。
「正直なところ、それを見ておぞましいと感じました。私一人でサリーの処遇を決めるには荷が重過ぎます。」
そう言われて頷く。それはそうだろう。俺は即決する。
「ならば俺が決める。サリーは粛清する。」
そうすぐに言い切った俺にジルは驚く。
「申し訳無いが、その状態のサリーを放免する訳にはいかない。もし放免したとして、その後に何かあったら…その対象が俺ならば良いが、もし君に悪意が向けられたら俺は自分を許せない。」
俺は背もたれに寄り掛かる。
「俺は自分に好意を向ける女が嫌いでね。」
遠い記憶、思い出したくもない、おぞましい記憶。