大学で経済の勉強をした。
それから、コンピュータ言語を徹底的にものにした。
「やあ、シン」
「教授!」
「卒論のテーマこんなに早く決めたのかい?」
「ええ。これからのグローバル社会に見合ったものです!」
僕は論文を教授に読んでもらって太鼓判を押された。
「君はそのぅ、どこを目指しているのかね?」
「日本です」
「ああ!道理でうちの国の事情とずれてると思ったよ」
教授は朗らかに笑って、僕の背中をバンバン叩いた。
「これじゃ、だめですか?」
「いんや。エープラス間違いなしだよ」
僕はホッとした。
「やあ、リチャード。どうかしたのかい?」
「シン!俺はもうだめだ!!!会社の持ち株買い占められて、じきに会社からおん出されちまう!」
バラバラバラバラ…。
日本の高層ビルの最上階にヘリコプターが着陸した。
僕はスリーピースの衣装を手で整えると、そのビルの会社の重役室まで歩いた。
スマホでリチャードが「もうすぐ新しい筆頭株主が来る予定なんだ」と世も末な声で言っている。
「ハロー?」
「シン?なんで君がここに?」
「紹介しよう。筆頭株主のシン・スウだ」
「えええ?」
「君が社長のリチャード?安心したまえ社長を続けられるから」
「どうやったんだ?」
「株主一人一人の元を訪れて説得して回ったんだぜ」
「うへえ?」
リチャードの度肝抜いてやったぜ!ハハハ。
「よう、兄弟」
「?」
「暇なときでいいから昔話しようぜ」
僕は、その背中を追いかけてここまで来たんだ。
えらい道のりで、番狂わせもあったけど、満足してるんだぜ?
僕らは未来を手にした。