完結・2024年10月19日 16:30
3,105文字
あらすじ詳細
「この券売機、硬貨はどこに入れるんだ」
「いやねぇ、あなたは妙なところで機械音痴なんだから」
「戸惑うのも無理ないだろう」
妻の言葉に俺はそう言って応え、財布から六枚の硬貨を無造作に投入口に投げ込んだ。ややあって、切符が出てきた。妻も隣の券売機で切符を買っている。
「行先は押さなくていいのか」
「料金は決まってるんですもの、六文じゃない」
そうだった。どこで降りるにしても料金は均一だった。
閉じる 新着更新:六道線2024年10月19日 16:30