完結·2024年08月20日 17:17
16,731文字
あらすじ詳細
佐賀県玄海町に暮らす女子高生「佐志汐乃」は、ど田舎の何もない故郷にうんざりしていた。
「早くここから出て行きたい」とばかり考えていたある日、地元神社で披露する巫女舞の稽古を手伝うために東京から帰省してきた親戚の「松浦 真」と出会う。
玄海町のことをほとんど知らない真を案内して、数少ない町内の名所をめぐる汐乃。浜野浦の棚田で二人で鐘を鳴らした瞬間、汐乃は数百年も昔に松浦党の荷廻船を扱う女船頭だった自分の夢を見る。
夢の中で汐乃は、海で出会った真に笛を吹いてくれと頼んだ「どこかの船溜まりで会えたら聞かせてやる」と約束したが。その約束はかなえられずに終わったらしい。
同じ夢を見た汐乃と真。松浦党佐志一族の神社で真は汐乃に遠い昔に約束した笛を聴かせる。大学で日本史を専攻している真から肥前の国と松浦党に関係する話を聞いた汐乃は、自分の名「汐乃」が千年以上も前からこの地玄海町有浦で受け継がれていたことを知る。閉じる
新着更新:第5話「一千年の汐乃」2024年08月20日 17:17