第8話【王国の守護者セリアとの出会い】

「誰なんだお前は!俺の楽しみの邪魔をするんじゃない!」


「私はセリア、あなたのようにプレイヤー相手に武器をむける輩には容赦しません」


 レッドウルフはPKの邪魔をされたことに激しい怒りを覚えた。彼は剣を振りかざし、セリアに向けて敵意をむき出しにした。


「お前が来たせいで、そこの初心者をPKできなかったじゃないか!まぁ獲物が増えたと考えたらラッキーだな!お前もキルしてやる!」


「狂気の解放!!」


 レッドウルフは狂気の解放とともに、その体から強烈な殺気を放ち始めた。彼の瞳は血走り、顔には獣のような表情が浮かび、周囲の空気までもが重苦しい雰囲気に包まれた。彼の剣は赤い輝きを放ち、まるで闇の中から現れた凶暴な獣の牙のように見えた。


「なんだこの殺気!?」


 俺はレッドウルフの殺気に圧倒されていた。しかし、その狂気にも耐えて、セリアは凛と立っていた。彼女の表情は硬く、冷静なまなざしを持っている。彼女の精神力は揺るがず、彼女の決意は揺るぎなかった。


「そんな凶暴な力に私は負けません!」


 セリアは勇敢に宣言し、レイピアを構えた。彼女の決意は鋼のように固く、その目には闘志が燃えていた。


 レッドウルフは狂気に満ちた笑みを浮かべ、その剣を振りかざしてセリアに襲いかかる。彼の攻撃は凶暴で、その力は圧倒的だった。しかし、セリアはそれに立ち向かい、敵の攻撃を巧みに避けながら反撃に転じる。セリアは冷静に立ち向かった。セリアの剣術はまるで舞踏のようだった。彼女の体が剣と一体となり、優雅な一連の動きが次々と繰り出された。剣の刃が空気を切り裂き、流れるように敵の攻撃を受け流す。セリアの目は鋭く、彼女は敵の行動をいち早く読み取り、的確に切り返す。


 レッドウルフは狂気に満ちた笑みを浮かべ、その剣を振りかざしてセリアに襲いかかる。


「愚かな女だな、この力を受け止めることなどできると本気で思っているのか?」


 セリアは冷静な表情で応えた。


「その力に怯えることはありません。私はそのような凶暴な力には屈しません」


 彼女の言葉と共に、セリアの剣が風を切り裂き、レッドウルフの攻撃に対抗した。その剣術の一撃一撃が、彼女の強固な意志を示していた。


「この程度か!こんなのじゃダメージなんてないぞ?」


 レッドウルフの声が轟くと同時に、彼の剣はセリアに向かって振り下ろされた。


 しかし、セリアはその攻撃にも動じることなく、巧みな動きでそれをかわし、反撃に転じる。


「ちょこまかちょこまか避けやがって!」


 レッドウルフはイラつきを見せ始めた。


「そんな攻撃、私には当たりませんよ」


 その言葉と共に、セリアの剣がレッドウルフに向けて一閃する。彼女の剣術は美しく、その動きは鋭く、まるで舞踏のような優雅さをもっていた。セリアの剣術はまるで自然の一部かのように見えた。彼女の動きは流れるようで、剣の一撃一撃が的確かつ優雅に繰り出されていた。レッドウルフは攻撃を仕掛けるが尽く受け流され、レッドウルフは彼女の攻撃を受け続けていた。その狂気の力もセリアの巧みな技術によって無力化され始める。セリアの目は鋭く、彼女は敵の行動を先読みし、狂戦士の猛攻を余裕を持って対処していた。彼女の剣舞を見ていた俺はその剣舞に見とれていた。


「くそ!どうして当たらないんだ!」


 レッドウルフのイラつきはましていく。


「猛獣の咆哮!」


 レッドウルフは雄叫びを上げながら戦場の空気を支配するような殺気をさらに解放した。その眼光は凶暴な獣のように獰猛であり、その剣は血の渇きを求めるように燃えていた。彼は最後の切り札として、殺気に満ちたスキルを発動した。


 剣を振りかざすと、戦場には恐ろしい轟音が響き渡り、彼はセリアに向かって突進した。その一撃はまるで猛獣の爪のように容赦なく迫り、セリアの身体を切り裂こうとしていた。


 しかし、セリアは冷静に立ち向かった。彼女の剣は流れるような動きで敵の攻撃を受け流し、その優雅な剣舞はまるで風のように見えた。レッドウルフの猛獣の咆哮が迫る中、彼女は巧みな動きで攻撃をかわし、自らの剣を用いて反撃に転じた。


 戦場には激しい剣戟の音が響き渡る。セリアの勇気と技術が光る中、レッドウルフの猛獣の咆哮は次第に虚しくなり、彼女の圧倒的な強さがその場を支配していく。


 レッドウルフは最後の力でセリアに突進をする。しかしそんな単純な攻撃はセリアには通用しない。セリアはその隙間から敵の攻撃に反撃をした。彼女の剣術には無駄がない。


 セリアは冷酷な微笑を浮かべ、倒れたレッドウルフの喉にレイピアを突き立てた。その鋭い剣が彼の肌に触れる瞬間、セリアは言った。


「そのような実力で私に勝てるとでも?」


 冷徹で無慈悲な声が、彼女の優美な容貌とは裏腹に、その力強い言葉と行動によって強調された。


 セリアの圧倒的な剣術に圧倒されたレッドウルフは、息絶えた。セリアはレイピアを鞘に収め、冷たく無表情なまなざしで彼を見つめた。


 その後、彼女は俺に歩み寄ってきた。


「とんだ災難でしたね。もう大丈夫ですよ。最近は初心者狩りが止まなくて、本当にすいません」


「大丈夫です。本当にありがとうございます。えっと......」


 俺は彼女の名前を思い出そうとした。その時彼女は自分の強さを静かに示し、控えめに言った。


「私はセリアと言います。王国の騎士として活動しています。私はこのゲームの世界で多くの困難なクエストとバトルを経験し、その実力を高めてきました。今は王に仕える騎士としての任務に励んでおり、このゲームの中で自分の役割を全うしています」


 彼女の言葉には自信と誇りが感じられ、そのクールな態度は彼女が王国の騎士であることを物語っていた。


「あなたの名前はなんですか?」


 セリアは俺に自己紹介を求めた。


「俺の名前はレオンハルト、レオって呼んでくれ、最近始めた初心者だから知らないことだらけで今回はほんとに助かったよ!」


 俺は自己紹介とお礼を同時にした。俺は少し緊張して声が震えていた。セリアにそれが伝わったらしい。


「何も緊張する必要はないんですよ。とりあえず酒場に戻ってクエストを完了しましょうか」


 俺はセリアの言葉に安心感を覚え、彼女とともに街へと戻った。再び酒場に足を踏み入れ、クエストの達成を報告しようとした。酒場に戻った俺はセリアに連れられてクエストをバーテンダーに報告した。バーテンダーはクエストの達成を確認し、報酬として報酬金を渡した。


「クエスト達成おめでとうございます。これが報酬金です」


 バーテンダーは報酬金を手渡してくれた。


 俺達は酒場でクエストを終えた後、別れることになった。セリアは冷静な微笑みで俺に言ってきた。


「私はここで他の仲間と合流しなければなりません。またの機会に会えることを楽しみにしています」


 俺は礼儀頭を下げ、感謝の意を表した。


「ありがとう、セリア。おかげでほんとに助かったよ。また会う日まで、さよなら」


 セリアも微笑みながら頷き、その後ろ姿は酒場を出ていく他の冒険者とプレイヤーに溶け込んでいった。俺はレベルアップのため坂場のクエスト掲示板へと行き、何個かクエストを受注した。


「よし、次はこのクエストをするか、もちろんソロでな!」