ウランバナ島ではなく、本土に設置されたスタジオからの映像がテレビに映し出された。
なお、濃紺のジャケットを着たシンザブロォが実況と司会進行を担当している。その隣、灰色のジャケットを羽織っていた(スタジオ内が暑いのか、現在ジャケットは着用しておらず、黒いティーシャツ一枚の姿となっている)ランドは各チームの動向や各種武器について解説する役割だ。
「Phase1で亡くなった皆様のご冥福をお祈りいたします」
「お祈りいたします」
二人がほぼ同じタイミングでカメラに向かって頭を下げた。
「……これ、毎回やるんですかね?」
「やる……んじゃないですかね?」
映像が切り替わる。
ウランバナ島の全体地図が表示された。
「Phase1が終わって参加者は残り89名。チームとしては1チームが脱落したのみ、と。どうですランドさん?」
「スローペースですね」
「もっとこう、派手にドンパチやり合ってもらいたいと?」
「そのほうが番組的にもありがたいんじゃないですか?」
「そうですねー。銃撃戦、いいですよね! 絵面が派手になりますしね!」
地図の真ん中、ウランバナ島の中心部が黒く塗り潰される。
「おおっと、中心部がプレイゾーンから外れてしまいますかぁ」
「ドーナツ状になってしまうパターン、珍しいですね!」
「中心部にいる参加者の皆さんは、Phase3が始まるまでに他のエリアに移動しなくては“失格”となってしまいます。……まあ、この音声は参加者の皆様には聞こえていないんですが」
参加者が所持している携帯情報端末の地図上には、次のプレイゾーンが表示されている。
地面に線が引いてあるわけではないので、携帯情報端末で地図を確認しながら移動しなくてはならない。
実況と解説が見られる全体地図は、二十五色の点ですべての参加者の現在地がわかるようにできている。
「優勝チーム予想キャンペーンの締切はPhase2が終わるまでとなっております。視聴者の皆様でまだ応募されていない方は、いらっしゃいませんよね?」
「25チームの中から1チーム選ぶだけで、豪華なプレゼントが当たるかもしれません。みなさまお気軽にご参加ください!」
「ちなみに、ランドさんはどこのチームに?」
「いま答えちゃったらぼくがプレゼントもらえる確率が減るじゃないですか! 言いませんよ!」
「あらー」
「Phase2と3の間に言いますよ。約束します」