第11話 やっぱり人間休み無しで一ヶ月働くと死ぬんすねぇ

「……っと言うわけ」


「なんすかその異世界転生系ウェブ小説みたいな話」


「なにそれ?」


「私の世界で流行ってたやつっす」


 あの後、床で寝ていたと思ったら「やっべ! 遅刻っす!」と飛び起きた後に「どこすかここー! 納期やばいのにー!!」と大声を出し始めたのでセラと二人で羽交い締めにして二階で事の経緯をざっくり説明した。


「一応わかりましたっす。ざっくり言うと私は死んだってことでいいすか?」


「まぁ、そうなるのかな?」


「私達も初めての経験だからよくわからないけどね」


「やっぱり人間休み無しで一ヶ月働くと死ぬんすねぇ……労災出るっすかねぇ」


「ろうさい?」


 所々で聞いたことのない言葉が出てくる。


 話しを聞いているとこの見たことのない洋服もおーえる? って仕事をしてる人が普段着ている制服のようだ。


 にしても短い。足半分見えてんじゃん。


「……コール?」


「見てません!」


「私何も言ってないけどね」


「そういや自己紹介遅れたっす。私はサカマキハナって言いますっす」


「珍しいな家名が前なのか」


「家名? ミョウジっすか?」


「そっちの世界ではミョウジって言うのね。私はセラ・エルフィンよ。セラって呼んでね」


「俺はコール・リードだ」


「二人共かっけー名前っすね。じゃあセラセラにコッコって呼ばせてもらいます」


「さて、ここまで話しはしたけどもこれからどうするか?」


 違う世界から飛ばされてきたってのは本当らしいけど、それが分かったからといってもなぁ。


「ギルドなら何かわかるんじゃない?」


「あーそうかもなあそこなら大抵の問題はわかる人いるだろうし」


 俺みたいに店を構えている人間はあまり関わり合いがないギルドだが基本的に冒険者になりたいって人は過去とか関係なく無条件でウェルカムだからな。


「よっし、じゃあギルド行ってみるか。ハナさん動けます?」


「ハナでいいっすよ。大丈夫っす! 行けるっすよ」


「わかったハナ行くか。じゃあライリルとミールには店番しといてもらうか」


「ボクも行きたい!!」


「私もだ」


 お前等、階段の影に隠れて盗み聞きしてやがったな!!


「あー、このちっこいのがライリルでデカいほうがミールね」


「ライライとミルミルっすね! よろしくっす!」


 俺とセラの時から思ってたけど呼び方のクセひどくね?


「全員で行ったら店閉めなくちゃいけないだろ。誰か一人でもいいから留守番してくれよ」


「店閉めればいいじゃない?」


「どうせ誰も来ないよー! 人気ないし!」


「もう閉店って看板出した」


 何勝手なことしてんだこいつら……


「ホワイトっすねこの職場」


「ホワイトの意味はわからないけど多分違うと思うぞ」


 こうして俺達は街の中央にあるギルドに行くことになった。