シャツの糸くずを見つけると、マメに取り除くタイプである。
その日の糸くずはやたらと長かった。
左肘と左手首の二か所だ。
取り除くと、ブランと左腕が垂れ下がり、動かなくなった。
おかしいな、と思っていると、空から声が降ってきた。
「ママ、壊れちゃったよ」
ああ、そうか、僕は操り人形だったのか。