風呂上がりに巨峰を食べた。
赤みを帯びた黒い粒。とてもジューシーだ。
果汁がとんだ眼鏡レンズをティッシュで拭っていると、
一粒転がり落ちた。
ぼやけた眼を凝らし、床の隅に手を伸ばす。
だが、指先で触れると、驚いたことに走り去った。
ゾクリと背筋が冷えた。
巨峰と見誤ったそれは、Gだったらしい。