角の駄菓子屋には、黒猫の剥製はくせいが飾ってある。
昔、店主の愛猫だったらしいが、子供たちは気味悪がっていった。
ある日、男の子が店主に言った。
「気持ちはうれしいけど、店頭に飾るのはやめてよ」
黒ずくめの見かけない子だった。
それでも剥製を奥に仕舞うことにしたのは、愛猫と同じ目をしていたからだ。