「
「ほら、昨日レアっぽいアイテム見つけたじゃねえか」
マイの言葉に頷きを返す。私達はデカ骨と四本腕のゾンビから確かに宝箱を入手した。宝箱自体はシステム上すぐに消滅してしまったが、中のアイテムは『
「あれで何か作れんだったら作りてえなと思ってよ。昨日の戦闘でオレもお前もレベル4だ。金も結構溜まってきたし、そろそろ新しい装備が欲しいだろ?」
「成程。良いね、それ」
このゲームの主目的は発掘と開拓である。フィールドやダンジョンを探索してアイテムを集め、それを使って色々な物を作り、ゲーム内世界を発展させていく。
一つのアイテムを加工したり、複数のアイテムを合成したりして新しいアイテムを作る。その為の設備が揃えられているのが製作所だ。装備品の入手は武器屋や防具屋、アクセサリー屋などでも可能だが、消費するのが金銭のみなだけあって性能はストレートな物ばかりだ。一方の製作所で手に入る装備品は特殊性能持ちが多い。
「ほら、オレは問題ねえけど、すのこは縛りプレイだろ?」
「縛りプレイ……まあそう言えばそうかな」
極振りを「他のパラメーターは上げない」という縛りと見るなら、確かに縛りプレイだ。
「このゲーム、盾とか鎧とか重てぇ装備品は筋力値がねえと装備出来ねえらしいしよ。そうなるとお前が装備出来る物がなくなるじゃん。でも、
「マイ……!」
マイの提案は私の事を考えての事だった。凄い嬉しい。
確かに昨日の四本腕のゾンビ戦、あれは危なかった。一撃を喰らっただけで瀕死に追い込まれた。しかも、あれはまだ運が良い方だ。打ち所が悪ければ瀕死どころか即死だっただろう。あのゾンビに勝てたのは幸運が味方したというのもある。
運に頼らず今後も戦っていくには、まずは私を死ににくくする必要がある。その為には極振りの私は装備品で身を守るしかないのだが、筋力値がない私では重装備は不可能だ。盾は重過ぎて持ち上がらないし、鎧なんて着たらその場から動けなくなってしまう。
さて、どうしたものか……と思っていたのだけど、成程。製作所にだったら私にも装備出来る物があるかもしれない。
活躍して手に入れたアイテムでパワーアップ。展開としては悪くないな。
「よし、それじゃあ行こっか」
「おう。良いのが見つかると良いな」
という訳で、今日のプレイ内容は買い物デートになった。