ゲーム内時間で5日目の朝になった。
ゲーム内時間で90時間経過、現実で15時間経過だから今は午前3時ごろだ。
結局昨夜の内に、クルミは星形ペンダントを3つ、サクラちゃんはウサギペンダントを4つ作っていた。
なお、秘密裏に売りたいので、作成者情報は削除してある。
削除できるのは作者だけだ。
●星形の木工ペンダントx3
五芒星の形に彫られた木のペンダント。まだ粗削りだがそこがいい。
種別:アクセサリー(ペンダント)
レア度:4 ランク:2
攻撃力:2
魔攻力:2
命中:2
耐久:20/20
●ウサギ絵の木のペンダントx4
かわいらしいデフォルメのウサギが描かれた木のペンダント
種別:アクセサリー(ペンダント)
レア度:4 ランク:2
防御力:2
魔防力:2
回復力:2
回避:2
特殊効果:ウサギ型モンスターとのエンカウント率上昇
耐久:20/20
正方形のかまぼこ板みたいなのにウサギの絵が描いてあるだけなのだけど、絶妙なバランスの顔で、ニンジンをかじっている。
これは売れる。私ことミケは確信した。
朝から雑貨屋のところにいき、トラニー君を借りてくる。
ペンダントの値段については、星形が5,000セシル、ウサギが4,000セシルにしてみたけど、ユーザーの反応と交渉次第ということにした。
その辺はトラニー君に判断を一任した。
「今日は、ペンダントとあとウサギの干肉もお願いね」
「お姉ちゃん。わかりました。全部売れるように頑張るね」
「お姉ちゃんってもう一回言って!」
「なあに? お姉ちゃん?」
弟とかいないから、お姉ちゃんって言われるの新鮮だわ。
干肉170個を売りさばいてもらおう。
自作する人も出てきたので、値段は180セシルで様子を見て下げてもいいと言っておいた。
あといくつか試食用にするように指示をしておいた。
私たちは、離れたところから売れ行きをチェックする。
陰から見守った所、男女のカップルと思しき2人が星形を1つ購入していった。
見た感じでは、男性が片手剣、女性が回復役か魔法使いのようだ。
広場に、堂々と客のふりをして入っていき、他の露店と共に見る。
お隣さんの露店は「ウサギの
ちょっと試食させてもらったけど、お肉の味はするけど物足りない感じだ。
隣のユーザーはこういっていた。
「今から塩を振っても、くっつきません。それにトラ君の塩味を試食しちゃうと安く売るしかないですね。干す手間もバカになりません」
トラ君に聞いたところ、他人のふりをして接客してくれた。
情報としては、先ほどカップルが星形を定価で買ってくれたが、女性の分までは資金がなく、買えなくてがっかりしたと言っていた。
私たちは、広場を後にして草原に向かった。
ウサギは、サクラちゃんとクルミ担当だ。
私は主にプリン担当になった。
かなり戦闘をした後、あるプリンの戦闘で、珍しいものが出てきた。
アイテム「銀のロザリオ」がドロップしたのだ。
「えー。これって、プリンが冒険者を食べてそれが出てきたってことかな?」
「たぶん、そういう設定だと思うよ」
「プリンって結構怖いのですわね」
●錆びた銀のロザリオ
銀でできているがプリンに食べられて錆びているロザリオ。まだ使える。
種別:武器
レア度:3 ランク:2
魔攻力:4
回復力:8
回避:2
耐久:40/100
「これ、白魔法の装備だね。ちょっと装備してみるね」
私は初心者の杖をストレージに収納して、かわりにロザリオを装備した。
スキル「ヒール:Lv0」と表示されていた。まだ仮習得なのだろうLvが0だ。
武器とスキルは別に異なっていても問題ないが、初期スキルを習得する手段が、その武器を装備するくらいしか、今の所ない。
「ヒール」
ロザリオを両手で包んで持ち、祈るようにヒールを唱え、サクラちゃんを回復させてみる。
サクラちゃんのちょっとだけ減っていたHPが10回復したようだ。
「おー。使えるー。これで不味いポーション飲まなくていいぜ!」
喜んだのはクルミの方だった。